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毎月第二土曜日に例会を行っています。

詳しくは瓦版(会報)の予定欄をご覧ください。

35年前の巻頭言 林原玉江

尾道児童文学研究会は、昭和55年に「おはなしのこみちの会」というネーミングで発足しました。尾道市立図書館を活動拠点にしていましたので、翌年から発行した同人誌には、当時の図書館長で詩人としても名高かった国下政人氏が、毎号素晴らしい巻頭言を寄せて下さいました。今、改めてひも解いてみますと、第三号(昭和58年)の巻頭言には、「新しい童話の展望にたって」という表題で、こんな言葉を下さっています。

 ……前半略……イギリスの子どもの本の編集者、バーバラ・ウイルソンは、「子どものために書く事」という文章の中で、『子どものための作家には、ある基本的な、欠かす事のできない資質がいる』とのべ、それは『その人がかけ値なしに、心底面白いと思う事を子どももおもしろいと思ってくれることだ』といい、『その資質があなたにあるかどうかテストする方法は、自分自身に、子どもの為に書く事で、自分にわくがはめられたように感じるかどうか、自ら問うてみる事だ。』と、はっきりいっている。そして、テーマや語彙や、表現方法が制限されると感じるなら、作家としての自分を、充分に出し切ることが出来ないと思うなら、あなたは、子どもの為の作家ではないのだ、とも言っている。

 子どもの本来の興味や理解能力の外にあるテーマを、見かけだけやさしくして、童話のなかに持ち込むのは、もうたくさんだと言っているようでもある。それでいて、今日の生きた子ども達の生きた要求にもかなった、かつ成長の方向性を示すものとなれば、このグループの今後に課せられた命題は多い。それは、新しい童話への展望をもった命題だけに、取り組む楽しみは多いだろう。何にしても、このおはなしのこみちの会の、今後に寄せる期待は大きいし、私のなんとしても嬉しい事は、たえず発展いちじるしいグループであるということである。………と。35年前に頂いた言葉ですが、いやはや、永遠の課題の色は褪せる事なく、改めて反芻しています。